秋葉神社(上社)

全国に800社以上あるという秋葉神社の本宮になります。

 

【ご祭神】火之迦具土大神(ひのかぐつちのおおかみ)

※江戸時代以前は秋葉大権現

 

江戸時代までは秋葉権現を祀(まつ)る秋葉権現社(あきはごんげんのやしろ)と、観世音菩薩を本尊とする秋葉寺(しゅうようじ)とが同じ境内にある神仏混淆(しんぶつこんこう)の山だったそうです。

秋葉大権現について『東海道名所図会』(寛政9(1797)年成立)では

 

 「秋葉山大権現・・・当山鎮守

 祭神大己貴命・・・或曰式内小國神社

 三尺坊・・・秋葉同社に祭る当山護神」

 

と三尺坊とは異なる鎮守神としています。

ところが僧侶の編纂した「遠州秋葉山本地聖観世音三尺坊略縁起」(享保2(1717)年)では「三尺坊を秋葉権現である」と。

このように実際には秋葉大権現と三尺坊は混淆(こんこう:入り混じること)されたようです。

 

古くは岐陛保神ノ社(きへのほのかみのやしろ)と呼ばれたそうですが、明治の神仏分離の際に秋葉権現を三尺坊とは異なる神祇(鎮守)と考証され、秋葉権現社は秋葉神社と改称することを命じられたそう。

この時に祭神名が「火之迦具土大神」とされたそうです。

地元の方はよく知っていらっしゃると思いますが、もともと秋葉山は修験道の霊場でした。

秋葉権現の眷属(従者)は天狗であり、天狗信仰の山でもあるので山麓の春野町 は「天狗の里」と呼ばれています。

 

私の長男が3歳くらいの時に、この秋葉神社へドライブしようと思い車で向かっていたことがありました。

山道に入ったところで長男が泣き出したのです。

「ここ、お鼻が長くて背中に羽根が生えた怖い人が木の上にいるよぉ」

って。当時は天狗の山だと知らなかったので私はびっくりしてしまいました。

 

秋葉神社のご祭神であるカグツチさんはイザナギとイザナギの間に生み出された火の神です。

イザナミはカグツチを生んだことにより陰部を大火傷し、それが元で命を落とすのですが・・・それはまたあらためて書くとして、秋葉山はカグツチさんのお山というよりはやはり修験道の天狗のお山という感じです。

後で記事にする予定の、豊橋市にある石巻山とも深いつながりがあると感じます。

 

静岡県浜松市天竜区春野町領家841