ご祭神は「油日大神(あぶらひのおおかみ)」
東相殿は摂社 岳神社祭神のミズハノメノミコト
西相殿は摂社 白髭神社祭神のサルタヒコノミコト
祭神の油日大神は古事記や日本書紀に登場しない神で、国内では他に油日の名がないそうです。
唯一この甲賀の地において、千数百年にわたって厚く信仰されてきました。
天地創成の母胎である「アブラ」に宿る「ヒ」(日、火、霊)の大御魂。それが油日岳をご神体とする油日大神。
今も毎年九月十三日夜本社にて秋のまつりが行われ、その前々日十一日の夜には信心の人たちによって岳の頂上で徹夜でご神火を焚き上げる「岳ごもり」と呼ばれるご神事が千年来の古い姿で残されているそうです。
油日岳の頂上にある岳神社には、水の女神・ 罔象女(ミズハノメ)神
が祀られます。
油日岳は、琵琶湖に注ぐ河川の中で最長の野洲川最大の支流である杣川(そまがわ)の水源にあたります。
岳ごもりの日も、途中8合目にある杣川の水源で清流を採取するのだとか。
油日大神の荒御魂(神の荒々しい側面)は甲賀武士の信仰厚い武士
は武神であり、
和御魂(神の穏やかな側面)はミズハノメに象徴される水神であり農作神。
つまり、油というのは『火の性質をもつ水』。
火でありながらも水である・・・それが油なのですね。
油日岳の標高は693m。
陰陽の象徴である69。
6(陰)であると同時に9(陽)であることを実体化(3)したもの。
それが油なんだよという意味にも取れるなぁと思いました。
油日岳は甲賀と伊賀の境目にもなり、頂上からは甲賀と伊賀の里が一望できるそうです。
うんちくばかり書きましたが、本殿・拝殿・楼門・東西廻廊などが国の重要文化財に指定されているとても見ごたえのある建物です。
秋のおまつりではこの特徴的な廻廊に蚊帳を張ってご神徳を称えるとのことで、春の例大祭ではお旅所で蚊帳を張る蚊帳まつりがあるとのこと。
とても興味深いところです。
ちなみに来月スタートのNHKの朝ドラでこちらの神社が撮影で使われているそうです。
私が参拝したとき、氏子の方が「見てね~」とおっしゃっていました。
(甲賀市甲賀町油日1042)
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